wamitsuya’s diary

〜日本みつばち養蜂家ワミツヤの離島暮らし〜

炭素循環農法の役割

私は昔から、数年後か、はたまた何十年後かわかりませんが、食糧難の時代が来るかもしれないと思っているんです。10年前くらいに日本の自給率が38%くらい(当時)なのを知ってから、「何をすればいいかわからないけど、こうしちゃいられない」みたいな感情が湧き出てきまして、とにかく「自給しなきゃ…」と考えてました。

まだ夫と付き合い始めた頃、夫から富士山に登りに行ったら鹿の大群に遭遇したという話を聞いて、思わず「へぇ〜、安心だね〜」(←何かあったら食べれるから)と答えてしまい、”しまった、意味わかんないこと言っちゃった”と思ってたら、「そうだね〜」と普通に話が通じてしまい、ビックリしましたが。そんな女子力低いこと言うなんて、当時の私の頭の中は食べ物を買えなくなる時代が来た時どうするかでいっぱいだったのでしょう。

私の祖母は戦時中、小学校高学年〜中学生だったのですが親戚の農家に着物などを持って行き野菜などを分けてもらっていたそうです。その話を聞いたときは着物がさつま芋になるなんて信じられない…と思いましたが、よく考えれば着物なんて役に立たないからいらないよな、農家も。でも実際あったんだ、そんな時代がほんの数十年前に。

それまで価値だと思っていたものが覆されるのは、意外とあっさり一瞬で、戦争だったり、災害だったり、経済の崩壊、人口の増えすぎだったり…。だとしたら日本は意外と危ない?

食卓に並ぶ米、野菜、卵、肉、魚、味噌汁・・・ほとんど国産だと思うけど、畑にまく肥料、農薬、家畜に食べさせる飼料、薬、味噌や醤油の原料大豆。元をたどると結構全滅なんですよね。

ってことは農家が最強ってことだから、みんな半農すればいいんじゃないか?しかも、肥料や農薬手に入らなくなること考えると炭素循環農法が一番じゃないか?と思ってるんです。

今でこそ、無肥料無農薬という言葉が知られてきていますが、無肥料無農薬で美味しい野菜は勝手に育ってくれません。庭にタネをまいて放置で野菜ができないですよね。

それをどーにかこーにかするのが炭素循環農法なのですが、隠岐の島町にいる間、引越しで畑も移動して1からやり直しというのが何回かあったんです。今まで土を育ててこれからやっと野菜作りだ!ってところの畑をやめて、また土壌改良を1からやり直す。無駄なことしてるなーと思ってたんですが、何箇所もやって、どんどん進化を遂げ、おかげでどんな土の状態なら何をすれば良いのか最短の土壌改良方法がわかるようになりました。

ズバリ、炭素循環を成功させる秘訣は、1に土地、2に土地、3、4がなくて5に土地なんです!土地選びを間違えたら2倍の努力で半分の成果です。もしくは10倍の努力で10分の1の成果かも…。

例えば、水が滞らない、海抜が低くない、などの土地の条件にプラスして、雨が多くない、風が強くない地域で、さらに土地の持ち主やご近所のご理解(すごい溝掘ったりするのでビックリされて不安がられがち)が揃った土地。

まさに天地人なんです。

野菜を作りやすい土地とゆうのは、すでに使ってる方がいるものなので大きい農場で新規参入は難しいのですが、家庭菜園レベルならなんとかなると思うんです。

そして、炭素循環は広い土地に向いてない。土壌改良はスピードがキモなので広いと手が回らなくて、良いタイミングで適切なエサ(土壌微生物の)を入れられないんです。

炭素循環がキチンと回り始めた畑は投入するエサの量も減ってくるし、野菜を収穫したらすぐに種を蒔くか、苗を植えるだけで良くなってくるので手間ひまをかけずに美味しくて体に良い野菜が出来るようになります。まぁ、そこまでにするのが大変なんですが。

こんな畑が各世帯0.5反くらいあれば食糧難にはならないし、栄養たっぷりな野菜ですから穀物やタンパク質もたくさん摂る必要がなくなります。

かくして、人類は飢えの恐怖から永遠に解放され世界は平和になったのでした。

めでたしめでたし